歯学部軽音楽部
私は大学時代は軽音楽部に所属していました。どこの歯学部も同じ傾向だと思いますが、総合大学であっても歯学部だけは他の学部と離れた場所にキャンパスを構えていることが多く、おまけに1学年が50~100人規模の小さな所帯ですので、部活の一つ一つもとても小規模です。我が歯学部の軽音楽部も同様で、部員は40人程度でこぢんまりとやっていましたが、それでも他の部活に比べると部員は多い方でした。
軽音楽部は運動系の部活と比べると規律も緩くい上、部活勧誘や上下関係もほとんどなく、全体ミーティングのようなものありませんでした。そもそも軽音楽部と名乗ってはいるものの、活動の実態は各々が組むバンド単位での練習ですので、部活全体で何かを行うのは文化祭ライブを準備し当日運営を行うくらいで部員同士のつながりはやや希薄でした。そんな感じですので部員ですら誰が軽音楽部の部員であるかはなんとなくしか把握しておらず、中には部員ではないのに練習用の部室を利用して練習し、軽音ライブにも出るみたいな人もいました。
運動系の部活は新入生歓迎コンパや卒業生追い出しコンパの時期になると、部活で管理するOBの住所録を使って招待状を郵送するなどして万全の準備をしていたようですが、軽音楽部ではそもそも住所録はおろか、名簿も存在せず、そういったコンパもその場のノリで呼ぶ人を決めるみたいな有様でした。なにせ現役の部員の名簿さえないのですから仕方ありません。
そんな軽音楽部ですが、私が5年生の頃には部長を務めました。もちろん面倒な部長なんかやりたくありませんでしたが、当時3人いた軽音楽部の5年生のうち、1人は幽霊部員、1人は部長就任絶対拒否でしたので、必然的に私がやらざるを得ませんでした。ちなみに軽音楽部は文化会系の部活の中では最も人数が多く、部長は自動的に学生会文化会会長にならなければならなかったので、面倒なことに学生会の仕事もしました。面倒は面倒でしたが、体育会の会長や学生会の会長とバカ話をしながら事務仕事をしたことは今となっては楽しい思い出です。
先ほどちょっと触れたように上下関係が緩いのも軽音楽部の特徴でした。私は年下の先輩も多かったこともあって、人間関係はフラットで、仲良くなってしまえば先輩後輩関係なくタメ語で和気あいあいで、一緒にライブを見に行ったり、旅行に行ったりと、現在に至るまで仲良くさせてもらっています。
しかし上下関係が緩いということは言ってみれば全体の組織としての人間関係のつながりも緩いわけで、運動会系の部活では先輩の影響で医局に入局したり、先輩の歯科医院で雇ってもらったりということをよく聞くのですが、軽音楽部にはそういった話はあまり聞くことは無いので、卒後においてメリットが少ないことが欠点と言えば欠点でしょうか。
具体的に軽音楽部のバンドでどんなことをやっていたかはまた別の機会にでも書きたいと思います。