研修医は学生なのか医師なのか
研修医は正規の医師・歯科医師
研修医は免許を持った正規の医師ないし歯科医師です。学生ではありません。
歯科医師も医師同様に研修医制度があり、前者は1年、後者は2年の研修が義務付けられています。両者とも6年間の大学教育を受けた後、国家試験に合格してから研修を受けます。したがって研修医は資格に制限のない医師、歯科医師であり、法的には主治医になって診査診断、治療、手術までしてもよいことになっています。
研修医を修了するとどうなるかというと、医療機関の管理者、つまり病院や診療所の院長になれる資格を得られます。
研修医制度の目的
医科も歯科も、大学の臨床実習では基本的にはほとん診療には参加せず、あくまでも補助的に体験する程度で、大学を卒業し国家試験をパスするだけでは、知識だけはあるもののほとんど何のスキルも得られていない状態です。この状態で主体的に診療をやらせるのはまずかろうということで設けられているのが研修医制度です。ですので研修医による診療は原則指導医の指導・監督の元に行われます。指導・監督とは言っても指導医が常にそばにいて指図しているわけではないので、単独で診療している時は研修医かどうかの区別はつかないかもしれません。
大きな病院などでは学生も研修医も指導医に指図されてへこへこ下働きしているイメージなので、両者を混同して一緒くたに学生だと勘違いされることもあるようですが、研修医は学生と違い、れっきとした医師・歯科医師なのです。
患者さんと研修医の関わり
中にはできれば研修医の診療は受けたくないとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、全員がそうおっしゃると医師・歯科医師は育たず、どんどん減っていくばかりです。指導医は研修医を常に監督し、習熟度を見極めながら診療に当たらせますし、その中で医師・歯科医師を育成していくのが研修医制度の目的であろうかと思います。大学病院等大きな病院では特に研修医が多いですが、患者さんとしては指導医の指導・監督によりその質や安全性が担保されていることをご認識いただきながらも、そこで提供される医療サービスを受けることにより、間接的にこの研修医制度による医師・歯科医師育成に参加することになり、それが将来の医療の進歩と発展に寄与していくのではないかと思っています。