歯科医師免許を持っているのに歯医者をしていない人
世の中には歯学部を卒業し国家試験に合格して歯科医師免許を持っているのにも関わらず歯医者の仕事をしていない人が少数ですが存在します。一体どういう人たちなのでしょうか。
主婦業に専念
一番多いのが歯科医師同士で結婚した女性が子育て等で主婦業に専念し、仕事は夫に任せるパターンです。完全に主婦に徹する人の方が多いように思いますが、夫が開業している場合はその歯科医院に週に数回出勤するという人もいます。
大学で研究者として働く
おそらく次に多いのが大学の基礎系講座に所属している歯科医師です。歯科大学の講座は臨床系講座と基礎系講座があり、臨床系講座に所属する歯科医師は臨床・教育・研究に従事し歯科大学病院で歯科治療もするのですが、基礎系講座に属する歯科医師は原則として歯科治療を大学の職員として行うことはなく、もっぱら教育と研究のみに従事します。しかし基礎系講座に属する歯科医師でも週に1回程度、歯科治療の仕事を一般の歯科医院でアルバイトのような形でやっているという人もいます。副収入を得るという目的もあるでしょうが、基本的には研究者でありながらも歯科治療を通して臨床現場を知り、技術を維持したり向上させることが必要であるとの考えから歯科治療のアルバイトをする人もいるようです。
以上の二つのパターンで歯科医師免許を持っているのに歯医者の仕事をしていない人の9割以上を占めると思います。残りの珍しいパターンを見てみましょう。
医系技官として活躍
歯科医師免許を生かして医系技官として厚生労働省やその出向先で働く歯科医師もいます。医系技官は公務員でありながら例外的に兼業は認められてはいるようですが、医系技官の仕事としては歯科治療は行いません。
医師になるため医学部に進学
歯科医師免許は持っているもののそれをあえて生かさず別の道を歩む人もいます。その中でも多いのが歯科医師免許取得後に医学部に入学、もしくは編入学し医師になる人です。医師と歯科医師両方の免許を持つ人をダブルドクターと言いますが、ダブルドクターはもっぱら医師として働き、歯科医師としての仕事はしていないということが多いです。またダブルドクターは大学に所属し研究者・教育者として活躍する人も多いようです。
その他のレアケース
実際に会ったことはありませんが、 レアケースとして、 歯学部を出て普通の企業に就職した人がいるという話も聞いたことがあります。他には歯科医師国家試験予備校の専任講師になる人や、家業を継いで経営者になるという人、中には国会議員や芸能人みたいな仕事をする人もいます。
まとめ
いずれにしても、学費や6年間というの大学で過ごした時間、卒業するための努力、国家試験をパスするためにした努力などを捨ててもなお選ぶメリットがある選択肢は限られているからこそ、歯科医師免許を持っているのに歯医者をしていないという人は少数にとどまっているのだと思います。