歯科大学の教授がバイト?
学生「○○先生は金曜日はなんでないいつも大学にいなんですか?」
医局員「あー、おれ金曜日はバイトに行ってるから」
学生「え?バイト?何のバイトしてるんですか?コンビニとか?」
医局員「バカ!歯医者のバイトだよ。」
・・・という学生と大学病院の医局員との会話を聞いたことがあります。
確かに普通はバイトというと学生やフリーターがコンビニなどで時給で働くことをイメージしますから、その学生が歯科医院での歯科医師のバイトをすることを思いつかなくても仕方なかったのかもしれません。しかし歯科医師の間でバイトと言えばもっぱら歯科診療のバイトのことです。
大学の医局員には大学院生とか専攻生とか無給医局員と呼ばれる、無給か二束三文の給料で働く歯科医師がいます。その給料のみでは生活が苦しいことが多く、外に働きに出ることが必要になってきます。これがおそらく歯科医師の間で一番多い「バイト」するパターンです。
それなりの額の給料を大学病院からもらっている医局員もバイトをすることは珍しいことではありあません。これは教授でも同じで、教授でもバイトする人はいます。しかしこのレベルの人たちがするバイトは、麻酔・鎮静や、親知らずの抜歯を始めとした口腔外科小手術など、専門技術を生かしたバイトであることが多く、決して生活が困窮しているからではなく、相手からお願いされて出向いてそこで治療を行うことが多いようです。大学の医局員にまつわる事情はもしかすると近年変わってきているかもしれません。もし表現が正確でない場合はご容赦ください。
そして歯科医師にはあえてどこにも正規雇用されずバイトだけで生活する人もいます。ちなみにこの場合はフリーターとはあまり呼びません。歯科医師は正規雇用であってもボーナスが出ることはほとんどない上、福利厚生も充実してるとは言い難く、正規雇用で働くメリットは他業種と比較すると少ないので、自由の利くバイト生活を選ぶ人も少なくありません。
いわゆる「バイト」はドイツ語の「アルバイト」からきているのは有名ですが、歯科で「バイト」と言えば英語で「噛む」を意味する”bite”から、「咬み合わせ」という意味でもよく使います。
「次の患者さんはバイトをとる」なら「かみ合わせをとる」という意味で、「ちょっとバイト高いから調整しなきゃ」なら「少しかみ合わせが高いから調整する」というような意味で使います。歯医者さん豆知識でした。