歯科医師の世界は狭い
日本人の人口は約1億2000万人、そのうち歯科医師は約10万人です。医師の約30万人と比べても非常に小さい所帯ですので、初めて会う歯科医師同士でも共通の知り合いがいることが大変多いです。例えばその人が自分の大学時代の恩師の同級生だったとか、自分の友人がその人と予備校時代に一緒だったとか、同級生のいとこだったなどです。
10万の平方根は316ほどですから、日本の歯科医師一人当たりの知り合いが300人余りいれば確率的には歯科医師同士は全員が知り合いの知り合いになり得ることになります。実際に自分の場合で言うと、同級生が120人、顔と名前が一致する上級生・下級生が50人くらい、教員が100人くらい、研修医の同期が数十名、歯科医師会の知り合いが百数十名といった具合で、面識のある歯科医師は316人を裕に超えます。すごく知り合いの少ない歯科医師でも200人くらいはいるでしょうし、平均で言えば優に300人以上はいるのではないでしょうか。加えて、親兄弟や親戚に歯科医師が何人もいるということも多いですから、間接的な知り合いの数は更に増えます。
実際には知り合いが重複することもありますし、全員が全情報を共有しているわけではありませんから、知り合いの知り合いの知り合いくらいじゃないとたどり着かない人も中にはいます。
ですので歯学部に入学して間もない頃こそ歯科医師の世界の小ささに驚くことはありますが、歯科医師になってしばらくする頃には、初対面同士に共通の知人がいても「あーそうなんですね」くらいで済んでしまうことが多いです。
残念なことですが、まれに犯罪を犯す歯科医師やスキャンダルの対象となる歯科医師もおり、この場合も大体知り合いの知り合いということで、普段はどんな人柄なのかといったような噂話を耳にすることも多いです。犯罪を犯さないまでも、悪事千里を走るが如く、悪い噂は特に広まりやすいということでしょうか。