「初診」の定義
二回目以降の来院でも「初診」の場合も
健康保険の考え方では一連の治療を開始する時に初診という言葉を用います。
例えば患者さんが歯科医院で治療が終わってから一年後に、同じ歯科医院で再び治療を始めたら、その歯科医院に過去に何度通っていても初診ということになります。過去に来院歴がある初診の事を「再初診」と表現することがありますが、健康保険の考え方の中には「再初診」はありません。
また、ある歯の虫歯の治療が終了後に1か月以内に別の虫歯の治療を始めるたら初診になるかというと、この場合は期間が空いていないので初診ではなく再診ということになります。原則として1か月以上期間が開くと初診となる可能性がありますが、どれくらい期間が開けば初診になるかは治療の内容などにより違ってきます。ほとんどの場合は半年以上間が空けば初診になると考えていいと思います。
このように健康保険のルール上では何をもって初診とするかは場合によっては複雑で、患者さんが初診になるか再診になるかをご自身で判断するのは難しいことかもしれません。
電話では「初めて来院」でも「初診」でもOK
健康保険のルールの話は置いておいて、一般的には初めてその医療機関を受診することを初診という場合が多いようです。ですので患者さんが初めてその医療機関を受診しようと電話などで問い合わせるときは「初診なのですが」もしくは「初めて受診するんですが」でいいと思います。
しかしたまに健康保険上の「初診」をご存知で、久しぶりに受診する際に「初診なのですが」と電話して下さる患者さんもいます。そのたびに初めての患者さんとして予約を取り、実際に来院されて保険証を確認した後に過去に来院したことがある患者さんだとわかる場合もあります。受付事務の実務上に問題はありませんが、少なくとも患者さんが「初診」とおっしゃる場合はその医療機関に初めて来院されるものとして認識されることが普通だと思います。
あえて言葉の定義に万全を期したい場合は「初診」「再診」という言葉を避けた方が無難かもしれません。