赤い紙カチカチ

赤い紙をカチカチする目的

歯医者さんに行って赤い紙を口の中に入れられ「カチカチして下さい」と言われた経験はないでしょうか。インターネットなどであれは一体何なんだという話題を時折目にしますが、あのカチカチはすごく重要なのです。

赤い紙は「咬合紙(こうごうし)」と言い、主にかみ合わせを見るために使われ、特に銀歯やセラミックなどの詰め物やかぶせ物を装着する際に、かみ合わせを調整するためによく使われます。主に赤い色をしていることが多いですが、紺色の咬合紙もあります。

咬合紙を使って何をしているのかというと、かみ合わせが高すぎたり低すぎたりしないかを見ています。
技工所から届く歯の詰め物やかぶせ物の嚙み合わせが、目で見ておかしいとほどが高かったり低かったりすることはありません。目で見てわからないほど微妙な調整が必要なので咬合紙を使う必要があるのです。噛み合わせの調整はミリメートル単位ではありません。マイクロメートル単位です。たった10マイクロメートル、つまり100分の1ミリ程度他の歯より詰め物が高いだけで、人は咀嚼時に違和感を感じ、場合によっては食事をまともにとることもできません。これを検知できるのがあの赤い紙、咬合紙なのです。

どうやって調整するかと言うと、患者さんに咬合紙をカチカチ、もしくは歯ぎしりをギリギリしてもらい、歯が赤い色に染まったところが高すぎる箇所なので、そこをドリルを使って削ります。

ちなみに患者さんが咬合紙をカチカチする際は痛くない範囲で、できるだけ強くカチカチ、ギリギリしていただくと助かります。力が弱いと赤く染まらないからです。

とにかく噛み合わせは超重要

とにかくかみ合わせはすごく重要です。極端な話ですが、一本の歯が無いより、一本の歯のかみ合わせが高すぎる方が食事は断然困難です。

歯科医学には噛み合わせを研究する咬合学という分野があり、また咬合学会という学術団体が存在し、学問として研究対象となるほど奥が深く、またそれゆえ歯科治療の際には重要なのです。