歯石取りの機械が舌に当たっても平気?

先日「歯石取りの機械に舌が当たりそうで怖い」という話題を目にしましたので解説いたします。

結論:平気です。

歯石を取る機械をスケーラーと言い、主に超音波スケーラーとエアーエアスケーラーという2種類があります。どちらも金属の棒をすごく細かく振動させ、歯の表面に付着した歯石を叩き落とすことにより歯石除去を行います。

よく勘違いされますが、スケーラーでの歯石除去は歯石を削り取るのではなく、叩き落としています。削るのではなく叩いているので舌に当たっても平気なのです。そして叩くだけなので歯に当たっても歯自体は削れません。

体の柔らかい部分、例えば腿やおなかをハンマーなどで叩いても、小さく速い振動であれば痛くないのと理屈が似ているかもしれません。

ただ、スケーラーはすごく速く振動しているので摩擦により発熱します。そのため必ず注水しながら使用します。注水冷却下なのでスケーラーが少し舌に触れただけでは問題ありませんし、実際に歯石除去時には歯肉にある程度の時間触れていますがやはり問題ありません。

歯を削るドリル(タービン)は舌や歯肉に少し触れただけでも傷つきますので、扱いには細心の注意が必要となります。しかしスケーラーは先ほど述べたように舌や歯肉を傷つけない上、歯に当たっても削れる心配もありません。

だからと言って歯科医師や歯科衛生士は全く注意を払わずにスケーラーを使っているわけではありません。スケーラーは鋭利ではありませんが先端が細い金属の棒なので口の中で扱うにはそれなりの注意が必要ですし、なにより患者さんが不安にならないように、舌や頬などに不必要に触れることの無いように扱っています。