取った歯の型は保存してある?
型は保存しません
歯科医院で取った歯の型や模型は原則保存していません。
時折患者さんに「昔ここで取った歯型があるはずだから、もう一度それを使って入れ歯を作ってくれないか」というようなご要望をいただくことがありますが、残念ながら取った歯型も模型も保管していませんので作ることはできません。
型を保存しない理由
保存しない、もしくは保存しても意味がない理由はいくつかあります。
まず、入れ歯や銀歯などを作るために作った歯の模型は、それ自体に不可逆な加工が施されたり、作製する過程で模型が壊れて無くなったりしてしまうからという理由があります。
また人間の歯は少しずつ移動したり、角度が変わったりしますので、早ければ数週間ほどで取った歯型や模型は無効になります。歯肉の形も少しずつ変わりますので、総入れ歯であっても時間の経過した歯型や模型は使えません。
それから置く場所が無いという理由もあります。歯科医院では年間で何百回、何千回も歯型を取りますので、それを全部取っておくと歯型や模型で歯科医院が埋まってしまいます。
以前に取った歯型を使うと治療費が安くなるという健康保険の制度もありませんので、無理して昔の歯型や模型を使う必要ありません。
例外もある
例外的に模型を保管しておく場合もあります。患者さんの口の状態を立体的にじっくり観察して治療方針を決める場合に、観察するだけの目的で歯型を取る場合がありますが、この時に作る模型は一定期間保存します。しかしこういった目的で歯の模型を作ることは少ないですからやはり例外的ということになります。