歯磨きは磨き残しを無くすることが9割

今朝も「歯磨き後はあまり口をゆすがない方が良い」というような趣旨のネットニュース記事を見ました。それからこの手の記事でよく見るのは「食後30分経ってから歯磨きする方が良い」や「朝食前、起きた直後に歯磨きする方が良い」といった内容のものを目にすることが大変多いような気がします。

こうした歯科に関するネットニュース記事は一般の方からすると初めて聞く内容で、それまで持っていた知識とは言ってみれば逆の情報であるがために、多くの人が関心を持って記事を読むことが多いようです。しかし、これらの情報は専門家の中でも意見が割れていたり、理論としてそれなりの説得力を持っていても応用としてその効果が不確かであったりすることが多いことも確かです。

今回、強調したいのはこういったニュース記事が正しいかどうかではありません。虫歯予防や歯周病予防は磨き残しなく歯磨きすることが9割で、その他の多くの事柄は残りの1割だということです。ニュース記事などで取り上げられる話題の全てが正しいと仮定してもその1割の一部でしかないということです。

しかし「磨き残しなく磨く」ことが重要ということは多くの皆さんも知っている上に、例え初めて耳にする人にとっても「それはそうだろう」と思うでしょうし、情報として新鮮味にかけることからなんとなく軽視されがちです。

また歯磨きをする人の誰もが自分は磨き残しがあると思って歯磨きをしているわけではないと思います。しかし実際には多くの人には磨き残しがあるので虫歯や歯周病が発生してしまうのです。

ブラッシング指導をこの数年で受けたことが無い人は是非歯科医院に行って磨き残しが無いか確認してみてください。申し分なく磨けている事が確認できた後に、残りの1割であるネットニュースにあるような色々な情報を参考にするのでも十分だと思います。

最後にあえてネットニュースのような言い方でアドバイスを一つ。

歯磨きは最低1日1回でもいいので、その1回を完璧に磨く。

歯磨きは毎食後が理想ですが、学校に行ったりお勤めだったりすると毎食後に時間をかけてというのはなかなか難しいです。ですので1日3回のうち1回は念入りな歯磨きをするのが理想です。自分の意見として、究極的には1日3回質の悪い歯磨きをするより1日1回完璧な歯磨きをした方がいいと思っています。

いずれにしても「磨き残しなく磨くこと」そして「磨き残しが本当にないか歯科医院で確認すること」これが一番重要だと思います。