歯医者家系

親戚一族全員歯医者というのはさすがに聞いたことがありませんが、近親に多く医者や歯医者がいるという人は大変多いです。

私の場合は、父と姉が歯科医師である他は、従兄弟に1人歯科医師がいるくらいで医者や歯医者の親戚が多い方ではありません。ただし私の妻の方の家系は妻自身が医師であるのを始めとして、親戚は医師だらけです。一般的には、その家系が何世代前から医師や歯科医師をやっているかが親戚の医師や歯科医師の数を左右する要因となっているようで、私の場合は父が歯科医師第一世代でまだ私で第二世代目ですので親戚に医師や歯科医師が少ないのかもしれません。

実際に歯学部の同級生の中で親や兄弟に医師や歯科医師がいないという人は少数でした。その少数派でさえ、少し離れた親戚である祖父母やおじおばが医師や歯科医師だったり、親兄弟は医師や歯科医師ではないものの、何らかの医療系の職業ということが多いように感じました。そのような状況なので医療関係は親戚の中でも自分だけという人は同級生の中でもほんの数人だったように記憶しています。まあ、医療系の仕事と言えば医師や歯科医師以外にも看護師や歯科衛生士を始めとして数あまたありますので、何十人も親戚がいればその中で一人も医療従事者がいないという人は逆に少ないのかもしれませんが。

考えてみれば、医者家系のような特定の職業の家系というのは他にも聞かないでもないですが、医者や歯医者のほど一族に濃い密度で存在する職業はあまりないのではないでしょうか。確かに政治家家系はよく聞きますし、一部の著名な政治家の家系図を見ると一族郎党政治家だらけというのをよく見かけますが、職業としては一般的ではないので特殊な例と言えるでしょう。強いて言えば教師家系はたまに聞きますが、医者家系ほど濃くはないように感じます。

このように〇〇家系が生じる要因は、親としては自分がよく知っている職業に子供にも就いてもらうのが安心で、子供としてはやはり親と同じ自分のよく知る職業に就くのが安心というのが根底にあると思います。その中でも医者家系は、医師という職業が歴史的にも社会的信用も高く、経済的にも安定した職業であったため密度の濃い医者家系が日本中に形成されていったのだと思います。

どんな職業でもそうかもしれませんが、医師や歯科医師も職業としてマイナス面のない職業ではありませんし、私個人としても自分の子供に軽々しく歯科医師という道を選択して欲しくはありません。ただ、そのマイナス面がどんなものであるかを知っていますし、それを自分の子供に教え伝え、どのように直面していけば良いかを教えてあげることはできると思います。今のところ自分の子供に医師や歯科医師になって欲しいとは思っていませんが、もし将来本人が興味を持ち、その道に進みたいというのであれば必要なサポートはしてあげたいなとは思っています。