歯医者とマスク

本日よりマスク着用のルールが個人の判断でということに緩和されたとのことですが、電車の車内を見る限りはほとんどの人がマスクを着用していて、一日ですっかり変わるという感じではなさそうです。

歯科医院は医療機関ですので引き続きマスクの着用が感染予防に効果的であるという説明が政府からされていて、当院でも患者さんには引き続き院内でのマスクの着用をお願いするほか、従業員も常時マスクを着用いたしてまいります。

しかしながら、3年前の新型コロナウイルス流行の前より歯科医師は治療の際にはマスクを着用するのが普通で、常にマスクをしている職業の代表格と言っても過言ではなかったと思います。また歯科衛生士や歯科助手スタッフも従前から患者さんと面する場面ではマスクをしていましたので、コロナ流行前も流行後もマスク着用という面だけを見ると大して変わってはいません。

ただ、コロナ流行以前は患者さんに挨拶する際や説明する際には失礼のないようマスクは外した方が良いとする向きもあり、教育の現場でもそういうような指導をしていたところもあったようです。私自身も以前はマスクをしたまま挨拶したり説明をするのは失礼だと思っていましたので、患者さんに挨拶をする際はマスクをせず、治療が終わったら速やかにマスクを外して次回の予定の説明をするなどしていました。

コロナ流行によってこの常識は180度変わり、今では逆に人と話す際にマスクをしないなんてありえない、という風に変わってしまいました。再びこの常識が元に戻るかどうかは今の状況を見ると微妙ですが、少なくとも医療機関の従業員が患者さんと話すときだけマスクを外すという光景は二度と見ることはないのではないかと思っています。

私個人の話ですが、あまりにもマスク生活が長いものですから、逆にマスクをするのを忘れて外出してしまい困惑するという夢を割と頻繁に見るようになってしまいました。その代わりにと言っては変な話ですが、全裸で外出してしまい困惑する夢を見なくなったのがメリットと言えばメリットでしょうか・・・。

しかしマスクをするかしないかは個人の判断と大仰に発表されましたが、そもそも日本人のほとんどはマスクをし始めたのも個人の判断だったような気がします。確かに当時はマスクの有用性が連日のように報道されていた記憶がありますが、少なくとも「何月何日からマスクをしてください。お願いします。」とは言われた記憶はありません。あたかも今日からあなたたちは自由ですと言われているようでもありますが、日本人の場合は最初から最後までマスクの着用は個人の判断で、国が決めることではなかったようにも思えます。