治療中に舌の位置をどうするか
歯科治療中に舌の置き場に困るという話を聞くことがあります。
正解は『気にしなくていい』です。
舌、頬の肉、唾液。確かにこの三つさえなければどんな治療もかなり楽になるのですが、当然無くすことはできません。ただし歯科医師はそれらをコントロールする術を得ているので実際の治療には問題がないことが多いです。
気を使って下さる患者さんの中には、舌を治療している歯から遠ざけようと動かす方がいます。しかし治療する歯の場所によってはそれが逆効果になることも多いです。舌の先は治療している歯から遠ざかっても、逆に舌の付け根付近が盛り上がって治療中の歯に近づいてしまうことがあるからです。
また舌というのは意外と思った通りに動かすことが難しく、舌をよけているつもりが逆に近づいていることもあります。下の前歯を治療している時に顕著ですが、舌が処置中の歯を触らんばかりに近づいてくることがあります。
ですので舌はできるだけリラックスして力を入れないほうが治療としてはやりやすいです。舌をよけたり緊張して力が入っていると舌が硬くなり、歯科医師側としては施術がやや困難になる場合があるからです。
もちろん緊張して意図せず力が入ってしまったり、のどに水が流れ込まないように力が入ってしまうことはありますが、それは仕方のないことですので気になさらないで結構です。もし治療中に不快事項があれば是非おっしゃってください。
結論としては『気にしなくていい』『よけなくていい』です。