予約したのに歯医者で待たされることはなぜ起こる
歯科医院の予約は患者さんと歯科医師と間の約束
英語で歯医者の予約を表現する時には、いわゆる一般的な予約を意味するリザベーション(reservation)という名詞ではなく、アポイントメント(appointment)という名詞を使います。
リザベーションは主に場所などを予約する時に使うのに対し、アポイントメントは人と会う約束などに使われます。具体的にはホテルやレストランや飛行機の席などはリザベーションを使い、医者や歯医者、美容師、弁護士などの予約はアポイントメントを使います。「予約」の代わりに「約束」と言い換えられる場合はアポイントメントを使うといってもいいかもしれません。
以上を論拠にいささか飛躍した事を言うと、歯医者の予約は患者さんと歯科医師とが合意した時間に会うという、対等な関係における「約束」なのかもしれません。ともすれば、どちらかというとその約束を破りがちなのは歯医者の方なのかもしれません。それは予約時間通りに歯科医院に来たのに30分も1時間も待たされたという話をしばしば耳にするからです。
予約制の目的
歯科医院における予約制の主な目的は患者さん一人一人に十分な治療時間を確保し、確実に治療を進められるようにすることです。しかしながら思いのほか治療が複雑で治療時間が伸びたり、急患の患者さんがいらっしゃったりすると、時間が押して治療を予約時間通りに始めることができないことがしばしば起こります。もちろん歯科医院側もそういった事態が起こることを見越して、できるだけ予約に余裕を持たせることがほとんどだと思いますが、それでも仕事量の予期せぬ輻輳は起こってしまいます。結果として患者さんを長い時間お待たせすることになってしまうのは大変申し訳ないことだと思います。
それでも歯科医院が予約制を維持するのは、やはり治療時間を確保するという目的もありますし、患者さんが特定の時間に集中して来院し診療をお断りしなければならない事態に陥ることを防ぐ、言うなれば「患者さんの流れを整流する」という目的もあると思います。
待ち時間が無くなるよう努めています
当院では患者さんのご協力もあって30分以上お待たせすることは年に数度ほどしか起こりません。予約に余裕を持たせ待ち時間をゼロしようと試みると、逆に予約が取りにくくなるという悩ましい問題もありますが、原則診療待ち時間ゼロを目標に常に予約の調整を行い、患者さんとの「約束」を守るよう努めています。