歯並びが完璧すぎると偽物の歯だとばれる
芸能人などがセラミックの歯を入れて不自然に見える主な理由は色が白すぎるからだと思いますが、歯並びが完璧すぎるのも不自然に見える要因のひとつです。
自然の歯はどんなに歯並びが良くてもほんのわずかに左右非対称だったり、乱れていたりたりします。また歯の一本一本も一様につるっとはしておらず、なんとなくごつごつしたりでこぼこしたりしているものです。
しかしセラミックなどで人工の歯を作成するときに、なかなか完璧ではないものを作ろうという風にはなりません。患者さんとしてもできれば完璧なものを入れたいでしょうし、作る方も完璧ではないけどちょうどよい具合に不完全なものを作るのは逆に難しいことです。
このような理由で完璧な歯が作成されて口の中に入り、逆に不自然になってしまうことがよく起こります。
前歯の真ん中に生えている2本の歯のうち片方だけをセラミック等のかぶせ物を作るときはもう片方の自然の歯に極力似せて作りますが、これはなかなか困難なことです。形もさることながら色を似せるのが本当に大変です。2本とも人工の歯にしてしまえば簡単なのですが、虫歯にもなっていない歯をそのために削るのはためらわれます。
またご高齢になり歯が抜けると入れ歯を入れることになりますが、全部ご自身の自然の歯の人が逆に総入れ歯の人をうらやましく思うことがよくあるようです。総入れ歯だと、自然の歯より色も歯並びも完璧だからです。
しかし完璧な見た目の歯を持っていても入れ歯は自然の歯と比べて咀嚼効率が劣る上に、手入れも必要ですし、取り外したりする手間があります。多少見た目が悪かったとしても自分の歯であることのメリットの方がはるかに大きいのです。