歯医者でPCR
2年前に新型コロナウイルスが流行し始めた頃、PCR検査の人手が不足しているということで、一部を歯科医師が行うという報道がされ、実際に歯科医師がPCRテストを行う事がありました。この時、報道を「歯科医院でPCRをやる」と勘違いして問い合わせが歯科医院に来たという話を聞いたことがあります。歯科医師によるPCRテストは歯科医院ではなくPCR会場などで行われ、歯科医院で行われたわけではありません。
しかし新型コロナ以前は、歯科でPCRと言えばもっぱらPlaque Control Recordのことで、歯垢がどこの歯のどの部分に付着しているかの記録のことをいいました。そのため歯科では磨き残しのある、ないをプラークコントロールが良い、悪いというような形で言い表します。
新型コロナウイルスの登場以降は、一般的にPCRと言えばウイルスの遺伝子の有無をテストするPolymerase Chain Reactionのことと広く認識されるようになったため、混乱を避けるために歯科医院内でも同様にPCRと言えばコロナ検査の事とし、歯垢の付着具合の検査の事をPCRと言わなくなったような気がします。
ちなみに歯科医師であればコロナ検査のPCR、Polymerase Chain Reactionは高校生物でも習いますし、歯学部でも生化学などで履修しますので、少なくともここ20~30年で歯科医師になった者であればその原理や意義は知っていますのでパンデミックという緊急事態におけるPCR検査の担い手として適格であると言えます。