試験でよく出る歯は1、3、4、6番

歯科医師や歯科技工士、歯科衛生士は学生時代に口腔解剖学という科目を履修します。口腔解剖学は歯のみならず、顎骨や口腔粘膜組織、唾液腺、や口腔周囲に存在する筋組織などの形態や機能について学ぶのですが、やはり歯そのもののウエイトは大変大きいです。歯の解剖学を学ぶ中で試験などでよく出題される歯があって、それが表題の1番(中切歯)、3番(犬歯)、4番(第一小臼歯)、6番(第一大臼歯)です。

何故1、3、4、6番がよく出題されるかというと、その歯を特徴づけるポイントが豊富であることと、その他の2番(側切歯)、5番(第二大臼歯)、7番(第二大臼歯)、8番(第三大臼歯)は1、3、4、6番の形を基本とした特徴の薄い歯だからです。2、5、7、8番はそれぞれ「側」や「第二」「第三」という「一番ではないですよ」という表す言葉がついていることからもわかると思います。犬歯は文字通り一匹狼で似た歯はありません。

ちなみに1番でも下の歯の1番は試験に出題されることは少ないです。これは下の1番は左右対称に近く、特徴に乏しいので試験として出題しにくいからです。

試験の内容ですがもちろんペーパーテストが主ですが、「上顎右側第一大臼歯を彫刻せよ」というような実技試験も行われます。

歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士はこのような試験をパスしてきているので、歯を渡されればその歯が上下左右のどの歯なのかがわかります。しかし、小臼歯や大臼歯の第一か第二か第三なのかはさすがに判別が難しい場合もあります。

また、これは歯学教育における口腔解剖学では特に1、3、4、6番が重要という事であり、その他の歯科矯正学や歯内療法学などではどの歯も重要ですし、患者さんがそれ以外の2、5、7、8番を軽視して磨かないでいいとか、虫歯になっちゃったけど重要な歯ではないからいいというわけではありませんのであしからず。