歯科医師の医学的知識はどの程度か

歯科医師は歯「医者」であり歯科「医師」であるため、歯科医師はそれ相当の医学的知識を持っていると思われることもあります。しかし実際には仕事の内容も全然違いますし、過去のオガログ『医師と歯科医師の違い – 大学履修内容編』で詳しく解説したように大学で学ぶ内容からして大きく違います。

ものの例えですが、一般的な人の医学的知識が1だとしたら、歯科医師は100、医師は10000くらいと言っていいのではないでしょうか。ですので医師の人手が足りないからと言って、応急的にでも歯科医師をあてがえばいいのではないかという考えは短絡的かつ無理筋です。

しかし、歯科医師は歯科分野以外の臨床医学こそほとんど学びませんが、基礎医学は大学の前半でかなりの時間をかけて学びますので、一般的な人に比べてかなりの医学的知識があることは確かだと思います。

ちなみに一般的な人の歯科の知識が1だとしたら、医師は50、歯科医師は10000くらいだと思います。これは歯科医師がすごいということではなく、歯科医学が一般医学とかけ離れて独特な知識や技術を要する項目が多く、医学部で学ぶべき歯科領域の項目が少ないことが理由です。

ちなみに私はいわゆる一般歯科専門の歯科医師ですが、口腔外科や矯正歯科に関する知識は1000くらいかもしれません。友人の医師の話を聞いてみるとやはり専門以外の診療科の知識に対する自信は1000程度しかないような印象を受けます。それでも国家試験というハードルを越えてきているので、当然と言えば当然ですが一般の方とは比べようのない知識量があると思います。