レントゲンを無駄に撮らないで!

「レントゲンを無駄に撮らないようにしてほしい」
「レントゲンも撮らないで治療して大丈夫だったのか」
両方とも昔それぞれ別の患者さんに言われたことがある言葉です。

レントゲンの撮影は多少なりとも放射線の被曝を伴う「侵襲的」な検査方法であると言えます。ですので放射線を被曝するリスクより撮影によって得られる利益が大きい場合に撮影を行うという原則があります。下の図は環境省HPよりお借りしました。

レントゲンは万能ではない』で触れたようにレントゲン撮影は数多くある診査・診断に用いる検査法の一つで、診断を得るのに有用だと判断した時に撮影を行います。とはいえ、虫歯や骨の中にある膿を見つけるのには利用価値が高く、使用頻度もとても高いと言えます。

それだけしばしばレントゲン写真を撮るものですから、放射線被曝を心配される方もいらっしゃいます。しかし歯科で用いるレントゲンの放射線量はとても低く、例えば一番よく使う、3~4本の歯を写すレントゲン写真の1枚当たりの放射線被曝量は、外で10分程度真夏の太陽の陽を直接浴びるのと同じくらいとか、100~200枚撮影して日本人が1年間普通に暮らして被曝する量と同程度、などと表現されます。具体的な数字等は以下の東京都歯科医師会作成の資料がわかりやすいのでご覧ください。

最後にツイッターなどでよく知られた画像を紹介しておきます。歯科医師としてはできる限り全員に納得していただくよう心掛けるべきであるし、そのためにはできるだけ詳しくわかりやすく説明することが必要であると思っています。