入れ歯は治療前に外した方がいいのか

入れ歯は外さないで結構です

治療が始まる前に、入れ歯を入れたままにするか外すか悩む患者さんがいらっしゃるようです。結論から申しますと基本的には外さないで結構です。

理由の一つとしては、入れ歯とは直接関係ない虫歯の治療をしている場合でも、型を取る時やセットする時などに噛み合わせを見て、場合によっては入れ歯のかみ合わせなどを調整する必要があるからです。もちろん入れ歯の隣の歯を治療する時などは入れ歯を外す場合もありますが、その場合は基本的に歯科医師が着脱をするので、ご自身は入れ歯を入れたまま治療に臨んでいただいて大丈夫です。

入れ歯が装着されているのがその人の口の状態

また、銀歯などの詰め物やかぶせ物と入れ歯との違いは、取り外しができるかできないかの違いだけで、口の中にある人工物という意味においては同じです。歯科医師としては普段の口の中の状態を把握したいので、少なくとも最初は、否が応にも詰め物やかぶせ物は装着されているのと同様に、入れ歯も装着された状態であった方が全体の状態をつかむ意味で都合がよいのです。それはなぜかと言うと、普段食事や会話をする口の中の状態を把握した上で診査・診断を行い、治療を進めてくからです。

一番大事:入れ歯は忘れず持ってきてください

一番困ってしまうのが入れ歯をご自宅に忘れてきてしまうことです。治療する内容によっては入れ歯が口の中にないと治療が進められない場合があるので注意が必要です。

治療前は多少痛くても装着し来院を

入れ歯があたって痛いと訴える患者さんにお伝えすることが多いことなのですが、多少痛くても来院当日入れ歯は直前数時間は装着しておいて、できれば食事もしてきていただきたいということです。そうすることによって歯茎と入れ歯が当たっている箇所が赤くなるなどして、どこを調整すべきかがわかりやすくなるからです。もちろん入れ歯を入れることさえ痛くてそれは不可能だという場合は無理なさらなくても結構です。

歯石除去やクリーニングなどで来院する患者さんで入れ歯を外してから臨まれる方もいらっしゃいますが、それはそれで結構だと思います。ただ入れ歯の状態を含めて口腔内の清掃状態を確認しますので、必ず入れ歯は忘れずに、できれば装着してご来院ください。

まとめ

まとめとして『入れ歯は治療前に外しても外さなくても結構ですが、必ず忘れずお持ちください。』そして『気を使って、またはエチケットとして外す必要はありません。』ということです。ですから入れ歯は基本的には装着したままで結構です。