血を見るのが怖い歯医者

当たり前ですが、血を見るのが怖い歯医者はいません。

怖くない理由としては、学生時代に様々な症例の写真やビデオを見ることや、解剖実習があることが挙げられます。また病院の実習では実際に抜歯や顎の手術を目にすることからいやが応にも血に慣れてしまうからです。

男の人は特に血を見るのが苦手だという人が多いですが、血を見るのが無理だという理由で大学を辞めたり、歯医者になるのをあきらめる人はいません。いくら苦手でも慣れることで容易に超えられる壁だからだと思います。

私の娘が生まれた時に立ち会い出産をしたのですが、通常分娩ではなかなか生まれてくれないということで緊急帝王切開になりました。その病院は帝王切開での出産も立ち会いができる珍しい病院だったのですが、その時にスタッフから帝王切開でも立ち会いますかと改めて確認があり、私は血や手術創を見るのは平気なので立ち会いをしましたが、医療関係者ではない男性は帝王切開に立ち会う事をためらう人もいるだろうなと思いました。

しかし歯科医師がいわゆるグロテスクなものなら何でも平気かと言ってたらそうではありません。自分自身はおそらく普通の死体は見たり触ったりすることは平気だと思いますが、それが腐敗していたりしたらちょっと平常心でいられる自信はありません。『死体照合に歯型は使わない』で触れたように歯科医師も不明死体の身元確認をする場合もあります。 身元確認のために状態の悪い死体に接している歯科医師もいるということは確かです。

とにかく「血が怖い」というのは割と簡単に克服できるのではないかと思います。大学の同級生の中にもそこで苦労した人はいなかったと思います。血を見るのが苦手なので医師や歯科医師になるのをあきらめる人がいるとしたらそれは誤った判断だと思います。