取れた銀歯をアロンアルファでつけないで
理由は大きく2つ
取れた銀歯などをアロンアルファでくっつけたという話をたまに聞くことがあるのですが、おすすめできません。理由は二つ。まず自分でつけるとかみ合わせが高くなってしまい、噛みにくくなることがある上に、歯や歯を支える組織にダメージを与える恐れがあるからです。もう一つはアロンアルファなどの瞬間接着剤は水分に弱いため唾液でぬれている環境下では外れやすく、外れた銀歯等を誤飲してしまう危険があるからです。
噛み合わせが高くなり害がある
詳しく解説してみます。まず何故噛み合わせが高くなるかというと、通常、銀歯などの詰め物やかぶせ物をセットする時は歯科医師が直接その歯を見て、浮いたりせず完全にフィットした状態であるかを確認しながら行うのですが、自分で着ける場合は直接見ることはできないため浮いた状態で固まってしまうことがあるからです。
高く浮いた状態で固まってしまうと大変厄介です。その程度にもよりますが、場合によってはまともに食事ができなくなります。そして通常は14対の歯で噛む力を受けているのに、かみ合わせが高いと1対の歯で全ての力を受けることになり、歯や歯を支える組織に深刻な影響を与えかねません。
水分で外れやすく誤飲のおそれ
そして瞬間接着剤は水分に弱いので、常に水分にさらされる口の中では外れやすく、誤飲の危険性があります。胃の方に入り込んだ場合、大概は待っていれば出るところから出てくるので問題ありませんが、気管に入ってしまうと最悪の場合窒息の危険性もあります。特に子供やお年寄りなどむせたり吐き出したりする能力が低い方ですとそのリスクは上がります。
初めて外れた時もその危ない目にあっているから同じじゃないかとお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、わざわざその危険な目にあう機会を再び作るのは賢明とは言えません。
その他にもおすすめしない理由が
そして市販の瞬間接着剤は銀歯等をつける目的で作られていません。アロンアルファには発がん性物質は含まれていませんが、瞬間接着剤の中には発がん性を含むものがあることが否定できず、人体に触れる箇所につけるのは安全ではありません。
また瞬間接着剤でとりあえずつけて、後日歯科医院で本格的に着けようにも、一旦壊して外さねばならず、作り替えになる可能性が高くなるというのも瞬間接着剤の使用を避けた方が良い理由になるでしょう。
自分では着けずに歯科医院へ
では歯の詰め物やかぶせ物が取れたらどうしたらよいかですが、そのままそれを持って歯科医院になるべく早く行くことをおすすめします。あまり時間が経つと歯が移動することによって着けられなくなることがあるからです。
過去のオガログ『詰め物が取れてしまったんだけど、着けられますか?』でも触れましたが、虫歯があるなど状態によっては着けられない場合もあります。